真言宗醍醐派とは

京都市伏見区の醍醐寺を総本山とする真言宗のひとつ。
弘法大師を宗祖と仰ぎ、理源大師・聖宝を開祖とする。
本派成立の起源は、弘法大師の実弟・真雅僧正の弟子である理源大師・聖宝が874年笠取山に自ら彫った准胝観音と如意輪観音を庵に安置し、醍醐天皇の帰依を受け、勅令によって薬師堂、五大堂などの諸堂を建立しながら醍醐寺を開創したことに始まる。以降、醍醐寺は小野流と呼ばれる法流を中心とした法流本山として、祈りの伝承を現在に受け継いでいる。
傍ら修験道の曩祖・神変大菩薩の霊異秘訣を相承し、永らく途絶えていた大峯山入峰修行を再開して修験道を再興し、山岳修行とともに諸仏教を納めて、修験道と密教法流を確立した。現在でも醍醐寺、真言宗醍醐派の寺院・教会は、聖宝の残した「実修実証~入りて学び出でて行なう」を教えのもととして、真言宗本宗と修験道を学び、実践している。

1879年(明治12)、明治政府による教王護国寺(東寺)を中心とした真言宗一管長制度により、大本山に列した。
その後1900年(明治33)、真言宗醍醐派として独立。
また、修験道の本山としては、江戸時代になってから真言宗系修験道を統括していたが、明治政府による修験寺院の廃止が決定されると、醍醐寺内に恵印部を設けて、全国の修験道行者の受け皿として修験寺院を統制した。
1919年(大正8)、恵印部を廃し、修験寺院を真言宗醍醐派末寺にした。
1941年(昭和16)、古義・新義真言宗は政府の政策によって合同され大真言宗となるが、1946年(昭和21)に真言宗醍醐派として独立して現在に至っている。

現在、真言宗醍醐派宗務本庁では、
①「宗教法人の正しい理解と運営」
②「人間自身を尊重した、命の尊厳、死者の尊厳」
③「祈りの実践」
この三つの柱を中心として活動しています。
特に、寺院・教会の公益性を高めることに力を入れており、地域のニーズにいかに応えていくのかということを考え、全国の末寺・教会に「あなたのお話をお聞きします」というプレートを配布しております。
また、「五大力さん」の布教宣揚にも力を入れており、様々な活動を始めています。

今月の管長様のおことば

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2023年01月06日

つつがなく令和五年の新年をお迎えますこと寿ぎ申し上げます。

昨年は、太元帥大法を厳修する事ができ、世に不安が多くあるなか、歴史と伝統の中、如何に「平和」を願い、祈ってきたかを皆さまに知っていただける機会となったことを嬉しく思っております。

醍醐寺と致しましても、一山をあげて、法流の継承をしっかりできたことを誇りに感じております。

宗内の皆々様には種々ご尽力賜りましたこと改めて御礼申し上げます。

本年は、更に、お大師さまの御誕生1250年の記念の年であります。

お大師様が望まれた、「自然と共にある人類社会」への御教えを今こそ実現に向けて、世界に向けて発信すべき時であると確信しております。

醍醐寺は、醍醐寺初代座主観賢僧正が大師号の下賜を願い出、醍醐天皇が空海上人のご業績を称え、「弘法利生」という言葉の中の「弘法」という二字をとり、大師号をお贈りになられたことから、「弘法利生」という言葉を大切にして参りました。

空海上人は他の命を重んじ、「心の営み」におもむきをおき、人が人を思う心を大切にされ、自分を支える人々への「恩」として教えの柱におきました。

更に、聖宝様は、「実修実証」の言葉のなかに、その実践の大切さを解き、世のため人の為に仏法を学び、実践することを解かれ残されました。

それは、つまり、祈りの原点になっているのが他の命を重んじ、「人が人に対して祈り、命が命に対して祈る」という行為が基本となる、「空」の思想であり、「利他」の実践です。

自然の中で生きる私たちは多くの命とつながり、さらに、過ぎ去った命がなければ今の私達の命もありません。

この命の繋がりに思いを寄せることができる「心」をもつことが、人が生きる意義です。

大きな時代のうねりの中で、自らを見つめ、実践していく姿を共々に目指してまいりましょう。

真言宗醍醐派 管長 仲田順和

新着情報

2023年11月14日
真言宗醍醐派管長「遍照心院順和大僧正」の通夜・密葬を滞りなく終えることができました。

多くの方に御弔問頂き、供花、弔電を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。12月17日の本葬におきましては、改めてご案内申し上げます。

2023年11月08日
●寺庭のつどい/教学研修会のお知らせ

令和5年12月11日に寺庭のつどいと教学研修会が開催されます。

10:00集合、10:15より護摩参座、11:00より宗務総長による法話、11:45より総務部長による法話

13:30より鷲尾龍華石山寺座主による特別講演が行われます。https://spn-apr.com/h/daigokyougaku/

2023年10月09日
●弘法大師御誕生1250年慶讃法要・真言宗立教1200年記念/五重塔特別御開扉

令和5年10月21日、弘法大師御誕生1250年慶讃法要が以下の日程で行われます。

日時:令和5年10月21日(土)

慶讃法要は 午前10時から金堂

柴燈護摩法要は 午後2時から柴燈護摩道場で行われます。

弘法大師御誕生1250年慶讃並びに真言宗立教1200年を記念して、国宝・五重塔の内部を公開致します。初層壁画には日本最古といわれる弘法大師障壁画(国宝)や両部曼陀羅が描かれています。また、特別限定ご朱印もご用意しております・

2023年08月07日
令和5年度真言宗醍醐派教学研修会のお知らせ

令和5年8月30日(水)13:30~16:50に教学研修会を開催します。宗派内教師に限らず、どなたでも参加できます。

講題は「弘法大師空海と醍醐寺」 講師:西弥生 種智院大学准教授

詳細はこちらからどうぞ https://spn-apr.com/h/daigokyougaku/

 

2023年06月17日
醍醐寺アカデミー 第1回オープンテンプル開催のお知らせ

令和5年6月24日(土)入門コース

令和5年6月25日(日)専門コースが開催されます。入門コースは、仏教に伝わる智慧やお寺のことを楽しく学ぶ体験コース。専門コースは、祈りの後継者育成のためのより深く仏教を学ぶためのコースです。末寺・教会の後継者育成の基礎ともいえる専門コースです。詳細・お申し込みはこちらからどうぞ。https://select-type.com/ev/?ev=yzu8gflHj9k

2023年06月13日
●令和5年6月号の神変別冊に令和5年告示台・4・5号が掲示されています。宗派内ページにログインしてご確認ください。
2023年03月12日
●寺院・教会名簿、宗務所下寺院一覧が更新されました。

宗派内ページにログインし、ご確認ください。

2022年12月02日
●年末年始の宗務本庁業務について

令和4年12月31日~令和5年1月4日までの間、閉庁致します。お急ぎの申請等がある場合は日程に余裕をもってご提出してください。

2022年08月17日
●宗教法人実務研修会のお知らせ

令和4年度宗教法人実務研修会のお知らせが文化庁より届いています。宗派内ログインページから詳細をご覧ください。

2022年07月20日
●「神変別冊」発行のお知らせ

神変誌の公告・録事・告知の役割は、令和4年7月号から、「神変別冊」と装いを新たにし、毎月6日発行、8日に発送されるようになりました。

宗派内ログインページにアップされていますので、ご確認ください。

神変誌本来の学術誌としての役割は年2回の発行となります。